ピアノの鍵盤の磨き方

今日はピアノの白鍵を時間をかけて磨く機会があったので、

その際に調べた情報をまとめようと思います。

 

ピアノの白鍵の素材はアクリルで、プラスチックと似ています。

なので、プラスチックを研磨する場合の情報を参考にしました。

 

通常はスタンドバフと呼ばれる機械で艶出しを行っていますが、このご時世で仕事が激減。

お陰で時間をかけて手磨きに取り組む事が出来ました。

 

折角なのでまとめておこうと思います。

 

紙やすりを使った艶出し

#600→#800→#1000→#1200→#1500→FMC–830P→ピカール

 

本日のところ耐水ペーパーを使用して、上記の番手通りに行うのも悪くないなと思いました。コンパウンドピカールを使う際は、当て木+ウェスで。

 

コンパウンドを使った艶出し

今日の結論は、中目→極細目→FMC830−P→ピカールの順が良かったかなと。

 

耐水ペーパーは番手が明記してあるのでかける順番に迷う事はありません。

コンパウンドもメーカーが統一されていればそんなに迷う事はないと思うのですが、

残念ながらうちにあるコンパウンドは不揃いでした。

 

基本的な事なのですが毎回忘れて調べてしまうので…今回こそきちんと覚えきるぞ!

中目

紙やすりでは、#800〜#1000程度に該当するとのこと。

研磨力が強く、作業効率は良い反面、対象によっては傷が残ってしまう事も。

バフなら固めのバフにつけて使用すると良いようです。

 

細目

#1200〜#1500程度の紙やすりに該当。

こちらは固めのウールバフにつけて使用するようです。

 

極細目〜超微粒子

#2000〜#3000程度に該当。

仕上げにも使用可能。中目や細目で付いた傷を消す事も出来る。

柔らかめのウールやスポンジバフに塗布して使用すると良い。

 

その他、使ったもの

FMC830−P:#1500のペーパー目を消して、光沢を作ってくれます。

ワックス成分も配合されています。

ピカール液状:#4000〜#5000相当との事。

 

今日の私の場合ですが、

 

・ペーパーを使った場合はやはりなるべく細かく番手を上げていく事

・ペーパーは傷が多いところでも#800から、更にひどくても#600からやれば十分だと思った。

・仕上げをコンパウンドで行う場合、ペーパーで1500まではかけてからFMC830–P→ピカールに移行したら仕上がりの調子が良かった事

・本日は当て木とウェスを使用したが、余裕があればスポンジやフェルトで試してみたいと思った。

コンパウンドの番手、間が抜けてしまっているところもある。今日で言えば、細目と仕上げ剤がなかった。もしそれらが揃ったらどれだけ仕上がりが変わるか実験してみたい…。

 

白鍵磨きまとめ

元々本日手磨きを試した理由は、

 

・他の人が仕上げたピアノの白鍵の表面が溶けているのが嫌だった。いくら傷が消えていても、塗面が溶けてデロっとした見た目の鍵盤をピアニストに弾かせるのは気が引ける。

・作業場の機械設備を後輩が優先使用する事になっており、使いにくかった。

・最近バフを使っていた人間の手入れが悪く、手入れをしてあげないと使いにくい状態だった。それにも関わらず優先順位の関係で作業時間がなかったので、苦肉の策であった。

 

…という、職場事情が伺い知れるしょうもない理由によるものだったのだが結構有意義な時間に出来たと思う。自分も検証していてタメになったと思った。

 

普段最低限のペーパーとバフであれば3時間くらいで仕上がるクオリティでやるのだが、今日は冒頭で実験したり、調べつつ行った事もあり、5時間ほどかかった。

 

次回はこの記事を読みながらやれば、少しずつ時間が短縮していけると思う。

 

仕上がりをチェックする上司陣は大ベテランなので、白鍵の表面が溶けていても見えていないので不出来な後輩としては助かりますが、ピアノを購入されるのはお客様。

 

ピアノ屋さんでピアノを購入される際は、皆さんちょっと目を光らせて見て下さい。

そういうお客さまにも選んでいただけるように、精進しておきます!笑